ブライトンだよ

この日は、リッチと二人で久々にブライトン・ザ・シーまで行ってきました。

卒論提出日直前の私を、リッチはこう言い表します。得体の知れない宇宙人がチョイに憑依したのだと・・・。

たしかに私はあの時、率直に怖かったはず。家の中に封印された未知の生物は、朝起き抜けにベットの横で泣き崩れ、そのままふらふらと真っ暗闇のなか別の部屋に消えていき、ぶつぶつ念をとなえながら、何を話しかけても上の空。ときに何も浮かばなくなると無言で壁に無かって頭突きをはじめ、それでも駄目なら床に顔をこすりつけながら東のほうへ向かって祈り、ストレスで手当たり次第そこら辺にあるものを口にした顔はむくみ、風呂に入る時間もなく髪はぼさぼさ、叫びだし、泣きだし、笑いだし・・・いやぁ、それはそれは凄かっただろうと。そんなギリギリの私を見ているリッチは本当に怖かっただろうと。多分、このような極限はなかなか来ないと思うのでで今記しておきました。いや、ほんと今、文字で見返すとしゃれにならないね。

で、わたしたちも実際、さすがのリッチでもちょっと気まずい感じになっちゃったのです。でも、それもこれも全部、海の風に吹っ飛ばされた気がする。と、わたしは願う。やっぱりブライトンの海は、行くたびに凄い風が吹いていて、なびくどころの話ではなく、右に左に鞭さながらに顔をバシバシうつ髪。でも、そんなことはこの夕日の前には、どうでもよいことなのです。ほんと、すがすがしい気分で帰宅。これは・・・やっと人間に戻れたのかな。