フライデーナイトはアートを満喫。

金曜日の夜は、キングス・クロスにあるナイトクラブ、セントラル・ステーションまで「アクト・アート」というイベントを見に行った。ワンナイト・オンリー(今夜一晩だけ)と謳ったこのイベントは、60人以上ものアーティストがオールナイトでパフォーマンスをオンパレードするという。出掛けに、会場のホームページを見て、普段はヨーロッパでも有数のゲイ・クラブ・・・、という一言に多少、恐れおののきながら近辺まで向かう。いくらスペシャルイベントだとは言え、自らの体裁は守らねば・・・。行けばとてもフレンドリーな雰囲気で、考えてみれば女としてここまで安全な場所もそうあるわけでもないか。

こんな機会でもないと中を見ることはまずないだろう、会場になっていたナイトクラブは、これまた一風変わったつくりで個性的。もうほとんど普通の民家の一角にあり、外から見ると半分工事中のような殺風景な外壁をぐるりとまわれば入り口が現れる。階段をすぐに上がった先は、最上階である二階に出る構造。ナイトクラブはこうやって、普通の入り口から普通に部屋につながることを避け、普段とは違う世界に入りこむための演出をしているんだろうか。

ひとつめのお部屋は少し、雰囲気のあるイヴニング・クラブのような趣きで、この限られた空間に、アートワークもとてもきれいにディスプレイされていた。ビデオ作品を投影するモニターの前には椅子がいくつも配列されていて、お酒を片手に談笑する人で賑わう。下に降りるとステージを伴った、とても小さいムーラン・ルージュの様な部屋が。そして地下は、突然、むき出しの壁に覆われた洞窟のような空間が広がり、無造作にぶらさがったTVモニターがいくつも吊り下がっていた。ここでは、とつぜんアーティストが現れて、パフォーマンスをし始めるスタイルで、オーディエンスを驚き楽しませていた。そこに観客とアーティストの境界は、文字通りほとんど無い。まるでストリート・パフォーマンスのような突然とハプニングが繰り返し起こっていた。

久々にアングラ的なイベントを見に行けて面白かった。まぁ大学の中や外で起こる数々のイベントも、ロンドンアートのアングラ・シーンと言えなくもないんだろうが、mention するにはあまりにも気ままな集まりだから。また機会があれば、アートを理由に外に出たいと思う。気がつけば、もう学生最後の夏だしね。