ハンターさんの『家の風景』

///// 三月十一日 土曜日 //////////////////////////////////


以下、




曇っていた空はいつの間にか晴れて、目の前にある白と黒の風景画は、多分普段以上に力強く。

眼鏡を忘れて見えるかどうか心配だった。足を運んだ手前、とりあえずナショナル・ギャラリーの門をくぐる。

心配は杞憂に終わり、すばらしい展示内容。先ほどまで食べていたものをすべて吐き戻しそうになるくらい刺激をうけた。最後、売店で友人のローズに出会い割引をしてもらった頃が、全く予期していなかった出来事に、驚きも吐き気もマキシマムだった。

TOM HUNTER さんという人の写真を見た。彼は有名な絵画の構図をもとに、自らの住むハックニーを舞台に写真を撮っている。彼の作品は、絵画と写真のあいだをさまよう。正直いうと、多分ただその写真を眺めただけだったら何とも思わなかっただろう。コンセプトを読むという行為を、これほどまでに意味があると思えなかった、今までは。Written work を読むにしろ、口語によって伝えられるにせよ、今回ばかりは方法論でしかない。何を媒介するにしたって、彼が自らの『ハックニーにある家』を舞台にしたという事実が、あの作品郡をこんなにも意味の深いものに変えるなんて。


ここまで一言を吐き出すのに胸を戻し返そうになるのは、何でだろう。私の体力が弱まっているからかなあ・・・。それとも早く色んな想いを吐き出したい焦りからかなあ。

曇りから一度青く晴れ渡って、そしてまた灰色に帰った空のもと、モノのペインティングはいつまでも力強い。が、光がやさしく照らすので、わたしも少しほっとして目の前に居座ることが出来るみたい。



トム・ハンターさんの作品をみることで、どっと沸き起こった感情。多分、Because it was a lot relating to my major concerns on my personal projects.



1.

家で、家のまわりや日常で、ARTを発見するということ。美しい瞬間を作り出すということ。
その重要性を I was doublely convinsed. 再度実感した。 "ON THE WAY HOME" という "OPHILIA"を模した写真はすごかった。ロンドンの、何の変哲もない民家が、川の向こうに見える。世界は、わたしたちの住むロンドンは、こんなにも身近でそして美しいんだ。それは多分、かの有名な美術家たちが見出し、絵に残した行為と同じであろうに。そんな単純なことをすっかり忘れていた。


2.

彼の写真は、有名な絵画をもう一度、彼の作品を通して見る。見るというよりは通じる、、、という何か新しいタイプの発明であるようにも思える。
あのおばあちゃんの写真は確か"LIVING IN THE HELL"だったっけ。見えないものをみるというか、見えるものが見えなくもなるというか。あの有名な絵画の中の二人は、実はゴーストであったり・・・。見るということが、それ自体が実はARTであるということ。コラボレーションであるということ。参加であるということ。

そうか美術って。
そういうことだ、と。

最後に、 I was absorbed into a photograph for a long while, called "a boy found a man's body" or something. 多分あれほど、絵画を、その フレーム を別世界への窓だと感じたことはない。大きすぎもせず小さすぎもせず、そこから眺めればそう見えるだろう、妥当なサイズの大きさも絶妙なバランスで。


3.

気になったのは、色。赤っぽすぎること。黒人の人が、現代のロンドンではアジア人になっていたことは、エキゾチック感を出しているんだろうが、多少単純すぎるような。それから『死』に魅せられているようなところ。多分、ハックニーの Real Life、生活やライフのコントラストとして『死』を持ってくるところは効果的なのかもしれないが、それも少し too easy to expect な感がしないでもない。
ただ
生活の中の美なんだ、それはハッキリと。

身のまわりのスペシャル。飾り立ててない生活が、何とも勇気のあることかと感心した。わたしはつい飾りたててしまうけどな。

たくさんの交差する Aspect。それがシンプルじゃない重要性。多分、だからパワフルで、、、その意味を考えていた。考えていたが忘れてしまった。また思い出したときに書き足すしかない。そうしよう。



Mary Cassatt さんという昔の女性作家さんの版画展も、やっぱり日常の美しい moment に違いないと。女性らしい視点にも感心したし、繊細な勇気かな。つらぬいていることかな。そして母の愛がすごかった。

Both were about the daily life, about the beauty around us.

母の日との季節感もばっちりピンポイントの展示で、今日はつい葉書を買ってしまった。私たちの両方の母に、カードにして送ろうと思う。