一日の・・・時間

モーニングバード

一日の極限(かぎりなくきわめた)時間。


   朝方の静かなじかん


      深い夜の静かなじかん


散々テレビを見ておいて、インターネットをしておいて言えることでもないけど、実はこんな時間が本当は一番好き。やっと人間に戻れたような、オーガニックな自分に戻れたような感覚。
空気の流れるような・・・
冬の寒さで重くなった空気がゆっくりと横に流れていくような、空気の動きがきこえる。紙のふれる音、ペンが流れる音、上の階の住人がゆっくりと歩く足音・・・遠く車や飛行機の音もきこえて、そんな時間をかすかにさえぎるけど、それさえもいい。

一年に一度ぶりかくらいに人間に戻ったと思えた、もうひとつの時間。それはこの間の朝方のこと。その日は眠らず作業をしていた。
ベッドにもぐり込み、しばらく眠りにつくでもなく、ほとんど無音に静まり返った世界に耳をすませてた(今のこんな時間に、本当に合う音楽なんてないと思ったから、ただただ耳をすませてた)。

早起き鳥は、無音になった世界に

     あれは半分夢だったのかな

         それはそれは不思議な感覚

さえずりというよりもそれは、知り合い同士の会話のようで
まるでロンドンなまりのようなイントネーションまであったから
クリアーになった音のおかげで聞き取れる 会話のキャッチボール
話し相手の 合いの手の 合いの手
絶妙で
そうか一人じゃないから鳥も鳴くのだと
人間と同じで
相手が居るから鳥も鳴くのだ・・・と、眠りに落ちるそのあいだ、考えていた。

(三月記)