Artist's Talk by Jelemy Deller

 昨日、大学友達のAmyとテート・ブリテンへ『ジェレミー・デラー』さんというアーティストのお話を聞きに行った。彼は今年の『ターナー・プライズ』*1候補に選出された4人のうちの一人。作品に関しては大学の講義で一度話しが出たくらいで、予備知識ほぼゼロで行ったけど、かなり楽しめた。正直言ってあの時、大学の講義では何が何だか分からなかったけど、アーティスト本人から聞くと、ものすごいスンナリ入ってくる。
 今年のターナー・プライズは、政治やドキュメンタリー色が強く、アート専門のアワードがこういう風に取り上げるのは、とても異例な気がする。私にとっては、『アートなドキュメンタリー』って何かと言うことを受け止めることですら、ちょっと戸惑うのだけど。お話の中で、ジェレミーさん本人が「僕も確かに、ドキュメンタリーという媒介は、他の美術の形態(絵画や彫刻など)より、ずいぶん人気の薄い分野だと思う。だから僕が勝てるとは思っていないけど。」って冗談半分に言っていたことが印象に残った。
 このイベントでは、一通り彼の作品を見ることも出来て、テーマはとっても政治的で「重い」はずなんだけど、作品を見れば色んなところにユーモアが散りばめられている。もし私がこのアーティスト・トークを聞きに行かなかったら、多分初めて作品を見たとき、このユーモアをどう受けとっていいか困ってしまったかもしれない。でも、実際は、ユーモアをユーモアって受け取っていいんだって、シンプルな発見をした。
 少しの間さっとだけど、彼の作品一連を見ることが出来て貴重な体験をした。特に、今年のターナー・プライズで見ることが出来るかは不明だが、彼の作品の一つでアメリカのどこかの州で撮ったフォーク・シンガー達の映像は必見。絶妙な音楽とユーモアのコンビネーション。もう一度見て、詳しく書きたい。
 ちなみに、学割が聞いて4ポンドのチケットは悪くない。トークの後にはお酒も出て、エイミーはジン&トニックを、4杯もおかわりしていた。テート・ブリテンやチェルシーの辺りでは、4ポンドで1杯のワインしか飲めないもの。私もワインやジュースを飲めて、お話も聞けて、お金にムダが無かったので大満足。

*1:イギリスで最も有名な美術の賞展