Football in England 1

 イギリスはついこの間まで、ヨーロッパ・カップというサッカー大会の興奮で溢れかえっていた。今まで(野球を含めて)スポーツにはどうしても興味が持てなかった私も、(リッチの影響で)実は驚くほど、サッカーにはまってしまっていた。

 今回分かったのは、スポーツはゲームのルールやポジションという基礎知識を覚えるより、選手の名前やキャラクターを知ることが、見る興味を養うということ。リッチの解説のおかげで、今ではイギリスの選手や監督の名前だけではなく、果てはコメンテーターや解説者のキャラクター、家族構成から生い立ち*1まで説明することが出来る。何より今回はイギリスの選手がかなりレベルが高かったらしく、10代のルーニー君と言う、元プロボクサーの子が凄い勢いで、イギリスの全新聞一面を毎日飾っては話題になっていた。残念ながら、彼は最後の試合で負傷してしまって心配した。

 イギリス(だけでなくヨーロッパ全体もそう)は、サッカー大好きで、元々イギリス発祥ということもあり、皆国技の様に夢中だ。この日(試合のある日)ばかりは、みんな仲間。もう、すごい連帯感である。道でサッカーを見るために急いで家に向かって走るリッチに、全然知らない通りすがりの車に乗った人が「まだ0対0だよ。頑張れ!」とラジオからの情報を教えてくれたり、旗を振って応援されたり(家に帰ってるだけなのに)。試合中は本当に見事に街から人が消え、ひっそりしていたり(皆試合を建物の中で見るためだ)。男の人たちが朝からそわそわして、家の掃除をし始めたり(奥さんに、友達とパブに試合を見に行くのを、ぶーぶー言われない様にだそうです)。スーパーから出来合いの食品が売り切れになったり(料理している場合じゃないそう)。イギリス戦の日は、仕事が早く終わったり、休みになったりするのは有名な話だ。もちろん、イギリスだけではなく、試合のある、当の国の人は何かと免除になる。本当にちょっとした社会現象だ。可笑しな国です。

 パブで、友人と見るのも楽しい観戦の仕方だが、私たちは試合が重要になるにつれて家で見るようになる。何せ、イギリスは「勝っていても、試合の終了目前で負ける。」という不思議なジンクスがあり、負けたときは、本当に落ち込んでしまって、パブから家に帰るどころでは無くなってしまうからである。もう、声も、椅子から動くことも鬱陶しい。最後に負けた日、リッチは放心してソファから動けないで居た。ところが点が入ったときは、もうすごい喜びようだ。二人で奇声を上げながら踊る。本当に、こんなに嬉しいものなんですね。サッカーで点が入るって。家で見るのは、こんな醜態がさらせないのもあるかもしれない。

continues to next day..

*1:ある解説者は、通称「イングランドの呪い」と言われている。彼が、「今回は勝つこと間違いナシです。負けるなんて想像できません。」と言う呪いの言葉を発するたびに負けるという。