beautiful season

　わたしに言わせれば、ロンドンに来るのはこの時期だ。冬から夏にかけての季節の変化は、まさにドラマティックで、一斉に咲き乱れる花といつになっても暗くならない空は、本当に感動的である。

　今日のロンドンは、今年に入って一番美しかったような気がする。雲と空の配置が絶妙で、隣の家の洗濯物まで美しく見えてしまうほど、素敵な天候である。一番明るい部屋で、一日ペインティングをしていた。リッチがクリスマス・プレゼントにくれた、ちっちゃいキャンバスにしていた。

　今まで寒かったし、ふと雨が降ったり、外に洗濯ものを干す家は少なかったんじゃないかな。でも、今日ばっかりは、干したくなっちゃうような天気だった。窓から見える近所の庭は、花と洗濯物と、子供の遊ぶ声が、ピースフルで幸せそのものだった。

　ただ、ウチの庭はワイルドすぎて洗濯物をかけられない。今、驚くほどタンポポが咲き乱れるわが庭は、今年の夏には手をかける余地も無くなるだろう。隣の整って花の咲き乱れる庭と、タンポポの数では圧倒的に勝っているわが庭を見比べてしまう。いや、本当にタンポポの数が凄いので、ロンドンに居る友人には、皆見に来て欲しいくらいである。