OXOタワー

A Taste For Life


 細川せいこちゃんに会った帰り、テムズ川沿いの「OXOタワー」で開催されている「命のための一口」(「a taste for life」を勝手に和訳)という写真展に寄ってきた。外観が個性的なOXOタワー、いつも行きたかったんだよね。

 最近、よく写真展に行く。昔「マグナム」という写真家集団の伝記本を読んでから、写真には一目おいている。

 今回は、実際行くまで知らなかったのだが「フェアトレイド、Fairtrade」というチャリティー団体が10周年を迎えた記念の写真展だったようだ。フェアトレイドとは名前の通り、イギリス発信の公平な貿易を目指す団体で、イギリスでは既に十分知名度のあるチャリティーらしい。

 何が良かったって、仕組みがシンプルだ。発展途上国でコーヒーやお茶を栽培している農家は、実はその10分の1も実際に見合うお金を得ていないらしい。それは、取引先である会社やマネージャーなどが公平な取引をしていないからだ。安いチョコレートやコーヒーはそういう彼らの苦労が裏にはある。そういう村の実態はかなり悲惨で、皆働いても働いてもギリギリの生活をしていて食べ物を何日も買えないことだってあるらしい。薬品を扱う仕事も、マスクや手袋が無く素手で作業しなくてはならなかったり、村には冷蔵庫もない。病院も無い。「質のある仕事をしているのだから、見合うお金を得るべきだ。」とFAIRTRADEは商品にマークをつけて、公平な取引の上、成り立っている商品であることを消費者にもわかるようにしている。

 さすが、チャリティー大国イギリスでは、スーパーやオフライセンス・ショップにまで、FAIRTRADE商品が売っている。本当に、身近な生活で、普段の出資でヒトを助けることができるのだから、感心する。世界中で活動は広まっているっていうけど、日本でもスーパーで買えるのかな。このマーク(写真)を見かけたことがあるヒトは、教えて欲しい。わたしも早速、コーヒー豆をテスコ(安さで有名な庶民のスーパー)で買った。ちなみに彼らのコーヒーは、沢山のオーガニックコーヒーのコンテストで入賞しているらしい。あんまり、チョコレートは好きじゃないけど、エキシビションで買ったFAIRTRADEのチョコレートは、美味しかった。これから、買うならこれにしようと思う。

 Fairtradeとは、マークのついた商品を買えばよいという、本当にわかりやすいシステムで動いている。そして、農家が生産物に見合う収入を得ていないからという、シンプルな理由で発足されている。その上、アーティストの写真を撮る理由もシンプルだ。名前も、写真展のタイトルもシンプル。こうもシンプルに、素直に生きたい。


FAIRTRADE http://www.fairtrade.org.uk/