Sutton House

 私は、雨降りが大好きだ。リッチと雨を眺める。雨の音を、お風呂の中で聞くのは、もっと好きだ。多分家の中で、耳を澄ませて聴きながら雨を見ることが出来るという事実に、とっても幸せになるんだな。(あー、私には雨に当たらずに、じっくり眺めることの出来る家がある。)という点に、じんわり幸せになる。それどころか、雨に濡れずにお風呂でゆっくりできているなんて、私はなんて幸せ者なんだ、、、と雨に耳を澄ませながら思う。それから、一緒に眺めることの出来る人を見つけたことも、益々幸せな要因なんだろう。そのうち庭をきれいにし、大きな傘を立てて雨を眺めたい、とリッチと計画している。

 と、そんな私がお勧めする、絶好の「雨」の鑑賞場所は、ハックニーにあるSutton House(サットン・ハウス)である。*1サットンハウスは、確かNATIONAL TRUST(名所旧跡保存協会)にも登録されているほど古く、イギリスの歴史的な建物のひとつだ。滅多に人の来ないそこのカフェで、カプチーノを飲むひと時が、私は大好きなのである。一日中居座って、英語もそこで勉強したいくらいだ。

 コンサバトリー(conservatory)というガラス張りになっている、建物から突き出した温室のような小さなラウンジが、カフェになっている。だから、雨が落ちてくる様子、ぴたぴたと雨が落ちて模様になってゆく様子がそのまま見える。これは、部屋に居ながら雨を眺めるどころか、真上から落ちてくる雫を、水に濡れずに体験できるということだ。すごいことだ。私にとっては、極めた雨の鑑賞法である。

 コンサバトリーと言う場所は、ちょっと昔のイギリスの家ならどこにでもあったスペースらしい。ほら、庭を眺めながら、コンサバトリーでアフタヌーン・ティーなんて、簡単に想像できるもの。今のロンドンで、普通の家でコンサバトリーを見かけることは珍しいが、パブや田舎の方に行くと、まだまだ良く体験できる。

 将来の家には、コンサバトリーが無くっては、と今から夢に描いている。

*1:2004/3/14にも書いてます。