The Old Truman Brewery

Free Range
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This diary contienued from yesterday..


 いくつか興味を持ったアーティストの作品について、簡単にメモ。大学名はほとんど不明である。まずは、93Feat East上階にある会場にて見たElizabeth Mountainと言う人の作品。沢山の可愛いSHAPEに切り抜いたフライヤーを貼って、壁一面をデコレーション。かわいい!こんな壁もいい。それから、同じ階にあったHelen O'Connelさんは、黒と白のカーボーン板紙で丸や四角を連続してくりぬき、重ねただけで、60年代のサイケなオーナメントを作っていた。すばらしい。HANDYで身近な素材で、お洒落なインテリアを作れるんだ。紙がもったいないくって、私には手が出せないアイデアだけど、大好きだ。

 次は、メイン会場でみた作品。Gold Smithのテキスタイル科で、左奥の部屋に行く片隅にある、白い壁をBACKにした『へこみ』部分に展示された作品。こんなマイナスな場所にあるにも関わらず、下から射したライト・アップと、薄い皮膚の様なテキスタイルが美しかった。

 上階を上がると、もっと広くって驚く。入って左に曲がるとあった、デジタル・ムービーの作品たち。とっても面白かったのは、Louise Alexanderと言う人の、たしか「ドラッグ・クイーンの一日」とかいうアニメーション。もしかすると、「トランベスタイト・・」だったかも。ドローイングで描かれた男性が、凄い迫力(濃い)のあるドラッグ・クイーンに化けていく白黒のアニメーションだった 。彼女の名刺もアイデアものだ。女の子の形に切り抜かれている。かわいいブック・マーク(しおり)にも見えるし、足元の名前の部分を山折にすると、人形として飾っても置ける。「いつも机に飾っておいて」、ということかしら。作品のポストカードももらった。それから、そのすぐ隣に、写真やイラストレーションで一杯のスケッチブックが置いてあった。Damon Lam Ngar Kwokさんの作品は、スケッチブックという、本当にシンプルな媒体なのに、とってもとっても魅力があった。この人の、スケッチブック(アドレス帳)が素敵で、何度も見返した。鉛筆だけの、魅力的なオブジェクトたち。あの一冊が欲しい。名刺兼ポスト・カードは、シンプルに、写真を現像しただけだった。「一枚だけでお願いします。」と注意書きしてあったけど、どうしても選べなくって2枚貰ってきてしまった。スケッチブックを壁にディスプレイする方法も、とても面白かった。不要になった4つ穴のファイルのリング部分を取り外し、壁にHorizontalに固定する。そこにクリアファイルに入れた写真を、つける。そうすると、リング部分がクリアファイルを上にも持ちこたえ、下にもつるすことになる。上下に写真を展示でき、また展示する写真を選べるのである。こういうアイデアは、家のデコレーションにも使えそうだ。

 それから、素敵な写真の作品がいくつもあった。とっても存在感のあるお年寄りのポートレートや、静かだけど素敵な時間の流れている「瞬間」を撮った写真たち(赤い靴の写真をポストカードで貰ってきた)は、Mimi Goddardさんの作品。彼女の作品は、Café1001の反対側の一番右に、新しく出来た会場にて。彼女のポストカードを入れてあったDark Blackの木のShelfが可愛かった。あんな立派なShelfがあると、展示会場の一隅も、Studioでも、お店のような感じがして、私は何だか随分高級なものを無料で貰ったような気持ちになる。そういえば、Main会場の奥にあった、Paul Calverさんの写真も素敵だ。何だか、どこかで見たことのあるような感じのする、青い空をバックに、これまた、ものすごい存在感のあるオジイチャンや子供が捕らえられている。今気が付いたが、貰ってきた写真のおじさんは、「北の国から」で演じている田中邦衛さんにそっくりだ。いい顔してる。(http://www.calverphoto.com/

 今回気が付いたことをいくつか。
 割とこじんまりした作品が多かった気がする。ロンドンの大学生は、とにかく大きいものを作ろうとするような気がするけれど?やはり遠い大学からの出張エキシビションだと、生徒はディスプレイはもちろん、運搬の便も考えないといけないのかも知れない。もしかしたら、積荷なんかも生徒自身にまかされるのかも知れない。それに、会場には沢山の生徒を展示しないといけなくって、場所もLIMIT(制限)があるだろうし、どこにもLIMITは付きものらしい。こうなると、塩加減みたいに、どかんとしたART WORKが見たくなるもんだな。不思議と。

 また、積極的に、あるいは消極的に、自らPRODUCTSを売ろうとしている姿が垣間見えた。ブリックレーンにありながらも、さながらミニ・ミニ・ブリックレーン状態。例えば1ポンドからの葉書や手作りのCD-Rが、作品のそばにちょこん。CD-Rも、絵画集も、たった一人からなるコンテンツは、正直あんまり充実していなさそうで、私の財布からは買うまでにはならなかったけど。もしお金の余裕があったら、余りの可愛さに、つい買ってしまっていたかも。よいプレゼントやお土産になりそうである。面白かったのは、お金の収拾法だ。小さな紙とマスキング・テープで作られた、あまりにもセキュリティー効果の薄い貯金箱に、「5ポンド、よろしく。」と書いてある。そこで、つい入れてしまうか、入れてしまわないかは、あなたのユーモア次第。

 悲しいのは、生徒が置いているコメント・ノートに嫌がらせのような落書きが書いてあったりすることだ。心無い。ほんの少しの人しか書いていないノート(多分、家族か友達だけ)に、「ちょっと、このペンを試して見たかっただけ。」とかいうコメント。あとで見た本人は、どう思うだろう。胸が痛い。ヨークとか、田舎の人だったらこんな失礼なことはしないだろうけど、ロンドンでは、嫌な思いを良くする。私は、コメント・ノートなんか置かない、と心に決めた。